
和菓子のお教室をはじめさせて頂いて早や13年になります。
たくさんの美味しいお菓子、珍しいお菓子に出会いました。
そんなお菓子の思い出やエピソードを、少し… お話したいと思います。
◆ 2012年 1月 若菜まんじゅう
今年もまた、ご宗家初釜式の薄茶席では虎屋さんの《織部饅頭》が頂けることと思います。 (笑) 御家元では器はもちろん、熱々の《織部饅頭》が供され… 初めて初釜にお伺いした時、寒雲亭の薄暗いお部屋中でその温かさと割った瞬間に目にした紅餡の華やかさに、まさに“春”を感じ本当に感激しましたね。 当然、白小豆で作った紅餡です! 美味しくて…、まだ若かった私は、直ぐさま虎屋さんに立ち寄り「御家元で頂いた《織部饅頭》は、ありますか?」とお尋ねしたところ、「申し訳ございません。 あの菓子は特注菓子でして店頭にはございません。 また一般の方にお作りすることも致しません」と。 ごもっともでした!(苦笑)
同じく白小豆の紅餡を使った美味しいお菓子に、三重県桑名の花乃舎さんの《若菜まんじゅう》があります。 この月、あの嵐山吉兆さんのデザート菓子に使われているお菓子です。 伊勢芋を使った薯蕷生地には細かく刻んだ若菜が散らしてあり、その生地をあえて少しだけ割って中の紅餡を覗かせた状態で蒸し直して頂きます。 元々の形が少し平たくて腰高ではない為、割っても素敵です。
※ スミマセン! 写真、行方不明です! 皆さんが一番ご覧になりたいお菓子なのに… ホント、ごめんなさい。
教室でも1月には『えくぼ薯蕷』を作ります。 薯蕷饅頭の頂きを少し窪めてこなしで作ったピンクの玉を飾って“笑窪”です。 真っ白い生地を割ると… やはり紅餡(但し、残念ながら白小豆ではありません)。 初春にふさわしい何ともいえず愛らしいお菓子ですね。 大好きなお菓子です。
友人たちからも「白小豆のお菓子を…」と、言われます! いつか挑戦しなくっちゃね〜。

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