◆ 2011年 11月 霜ばしら 今月のこのコーナーには仙台の『霜ばしら』の事を書こうと決めていました。 夏、大阪のデパ地下で「復興支援のための東北物産展」で、九重本舗さんを見かけました。 もちろん、季節ではありませんので(『霜ばしら』は冬季限定商品です)、 その時には『九重』が売られているだけでしたが、「お店はご無事だったのだ」と安堵しました。 その時から『霜ばしら』を書こうと思っていたのです。 すると、どうでしょう…。 先月、仙台に住む同期生のCちゃんから偶然にも『霜ばしら』が送られて来たのです。 以心伝心と言いますか、私の思いが通じた ような出来事に驚きました! 3月の震災ではCちゃんはじめご家族もお家も一応は無事なのだと知らされ、ホッと一安心。 一つ釜の飯を喰った仲間としては、何かお茶に関わることでCちゃんを少しでも元気づけられることはないか?と考えました。 が、私に出来るのはお菓子位です。 5月、 「きっと、まだお茶など出来る状況にはないだろうな…」と思いながらお菓子を送ったところ、本当に喜んでくれて… 調子に乗ってこの秋に『山みち』を送りました。 『山みち』が学園生にとって一番思い出深いお菓子かな?と思ったからです。 すると今度は「仙台のお菓子も食べてみて!」と、『霜ばしら』を送ってくれた という経緯です。 笑! 缶を開けるとそのお菓子は、隙間なくびっしりと寒梅粉の中に埋もれて入っています。 寒梅粉を上蓋に取り出して、つまみ出して口に入れると「サクッ」と音がしたような… 次の瞬間には、もう口の中で溶けているような繊細なお菓子です。 糸のように細い細い飴を束ねて層にしたような本当にきれいなお菓子です。 飴をここまでに作りあげた技とセンスは本当に素晴らしいですね。 アスファルトで舗装された道ばかりで… この私でさえも地表にできた「霜柱」を見たことがありません。 さらには実際に「霜柱」を口にしたことのある人は、きっといませんよね? でも、もし本当に「霜柱」を食べることが出来たなら、きっとこんな食感なのだろうなぁ…と思います。 足下でクシャと潰れる「霜柱」の感触が伝わってくるようなお菓子です。
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