◆ 2011年 10月 山づと 「山づと?」 「そう… 『山づと』と言います。 山の幸、里山からのお土産という意味です。」 お稽古に『山づと』を使うと生徒さんとの間に、必ずこうしたやり取りが生まれます。 『山づと』の“づと”は“苞”の字を当て“包む”という意味です。 お菓子の銘には最近では使われない言葉が用いられることが多々あり、『山づと』もその一つかと思います。
『山づと』は大概「栗」を使ったお菓子で…
そして私達が好きな『山づと』に亀屋吉永さんのものがあります。 栗が背負い籠にぎっしり詰まった、まさに『山づと』です。 思うに、このお菓子は桃山生地を小豆の漉し餡で作り、表面に卵を塗って焼いたものではないかと…。 この 、栗 に色艶までをそのまま写した形と大きさ、それを 小さな背負い籠にいっぱいに詰める!という包装の発想が、実に洒落ていて面白いです。 毎年、この季節になると『山づと』を自分のものとしてレシピを完成させたいと思うのですが…、残念ながら大きな宿題を抱えたままで過ごしています。(苦笑)
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