◆ 2011年 1月 紫野松風 & 福耳 京都の御家元のお初釜に、久々に車で出かけました。 なので、帰りに大徳寺に立ち寄りました。。。 通りすがり、定休日のはずの松屋藤兵衛さんが開いているような… 勇気を出して「ごめんください」と声をかけてみました。 ラッキーでした! 予約でのご注文があり(11時ご案内の同門社中の先生だそうです)、特別にお店を開けておられ ました。 その受け渡しを清まされたら、当然、お店はお閉めになられるとの事でした。 「松風」は白味噌、卵、小麦粉を合わせた生地に大徳寺納豆を散らした少し硬めのカステラのような焼き菓子です。 カステラのようにしっとり&フワッとしたものではなく、モッチリとした弾力のある生地です。 大徳寺納豆の独特の香りとほんのりとした塩気、表面の胡麻の風味も効いています。 「松風」は、やはり京都独特のお菓子でしょうね。 私は藤兵衛さんの少しモチッとした感覚が好きなのですが、松屋常盤さんや亀屋陸奥さんも有名ですね。 この「松風」には忘れられない思い出があります。 もう20年近くも前の話ですが、ある茶道具店の展示会の為に沖縄へ行き、現地で学園の先輩と共にお呈茶のお手伝いをしたことがあります。 その折のお菓子が、この「松風」でした。 少し日持ちがして運んでも形崩れの心配も無く、何より京都らしさを味わって頂けるだろうとの店主のお考えからでした。 ところが… その会場で「何これ? 硬いカステラ? ベタベタして臭いし… いつのお菓子?」と、お客様にいきなり叱られたのです。 私は説明に困ってしまって… 先輩が上手に説明をして助けてくれました。 この時ほど、お菓子の選択も難しいものだと感じた事はありませんでした。 京都ではいつも美味しいと思っていた「松風」ですが、確かに表面が少しベタベタして口の中でモタモタした感じがしました。 気候風土の違う地方では、 必ずしも「普段のお菓子の美味しさ」が通じるとは限らない事を学びました。 今日は、さらにラッキーな事に普段でもすぐに売り切れてしまう「福耳」もゲットできました。(笑) 「福耳」とは「松風」の切れ端のことです。 程良い硬さと旨みが凝縮されたような「福耳」は学園の頃からの好物です。 ラッキーが重なり… 今年は春から縁起が良いようです!
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