和菓子のお教室をはじめさせて頂いて早や13年になります。
たくさんの美味しいお菓子、珍しいお菓子に出会いました。
そんなお菓子の思い出やエピソードを、少し… お話したいと思います。

 

◆ 2010年 9月  栗きんとん 

今月の神戸のお教室は「栗きんとん」を予定していました。 が… 肝心の栗がまだ出ていません!!!

「栗、松茸、黒豆の枝豆」は私の中では10月10日の体育の日から…というのが長年のイメージでした。 ところが体育の日が10月10日では無くなり… 年々、様々な食べ物の季節が早くなっていることや9月になるとデパ地下に一斉に「栗のお菓子」が並ぶ事などから、何処か何か勘違いをしていたのかも知れません。 「栗きんとん」をなぜか9月の予定にしてしまっていたのです。(苦笑) 

今年は記録的な猛暑、いまだに真夏日が続き… 秋の生り物は全て遅れているそうです。 おまけに栗の出来は良くないそうで、青いイガのまま落ちて しまい例年より収穫は落ちる見込みだそうです。 但し、粒が小さく収穫量も少ないけれど日照りが良い為きっと甘いだろう… とも聞いています。

先月の「葛切り」同様「栗きんとん」も、皆さまからのリクエストは多いのに教室ではなかなかそれに応えられないお菓子の一つなのです。(苦笑)  今回のように時期が合わない事や栗そのものの始末に時間、労力がかかることなどがあります。 自然の生り物を相手にするのは大変ですね。 

「栗きんとん」と言えば、やはり“すや”さんでしょうか? 子供の頃、梅田(大阪)の阪神百貨店の地下に全国のお菓子を集めたコーナーがありました。(今もあると思いますが) そこに秋になると“すや”の「栗きんとん」が登場し、シーズンに一度、それを買ってもらうのが楽しみでなりませんでした。 白い和紙に包まれた小さな「栗の塊」は、マロングラッセと同様に… 子供心にパクパク食べてはいけないお菓子でした!  今は全てが贅沢になり 、あの頃のように“愛しんで物を頂く”という事が無くなってしまったように思い反省しています。  

神戸のお教室の皆様… 来月には「栗きんとん」を行えると思いますので… 楽しみにお待ち下さいね。