◆ 2010年 3月 草もち 3月に入ると… いえ、2月の内から和菓子店の店頭にには「桜餅」と「草もち」の文字が見えますね。 どちらも春を代表するお菓子です。 実に庶民的で、シーズンに一度は口にすることがあるような… どなたにも馴染みのあるお菓子だと思います。 神戸の教室でも今月は「草もち」の応用バージョンのお菓子を作る予定です。 「草もち」は、蓬を混ぜた餅生地に小豆の餡を包んだ(挟んだ)お菓子です。 春のお彼岸には草団子に餡をまぶして「彼岸団子」として売り出されることから、春の彼岸の菓子は「草もち」、秋の彼岸の菓子は「お萩」という区別や伝え方がされる事も多いようです。 が、「草もち」は本来、上巳の節句(雛まつり)のお菓子だとされています。 元々人形を流し穢れ祓いを行った上巳の節句に、母子草(御形)や蓬を用いた餅が作られたようです。 蓬には、その強い香りからか… 邪悪な物を退ける意があるようで、端午の節句にも菖蒲の葉と蓬を束ねて屋根にあげて厄除けをする風習もありますよね。 雛祭りの菱餅も、江戸時代には邪気祓いとして草餅と白餅の二色の組み合わせで作られていたそうです。 春秋のお彼岸には、春は「ぼた餅(牡丹餅)」秋は「お萩」と、それぞれの季節に咲く花の名をもじって呼び名を変えて用いたのが一般的な説です。 つまり両者は同じものなのです。 実は私は子供の頃から「おはぎ」が苦手です。 子供心に「ご飯が甘い!」事が信じられない、耐えがたいことでした。 (笑) 「草もち」に使う蓬ですが、教室でも手に入る時には「冷凍よもぎ」を使いますが、一般的には「乾燥よもぎ」が多いと思います。 前者は蓬の繊維も残っていて色も香りも抜群に良いのですが、単位が大きくて一般のご家庭では一度に使い切れない事と思います。 やはり業者さん(和菓子店さん)向けの商品なのでしょう。 後者はこの季節なら近所のスーパーでも入手可能です。 「粉末よもぎ」や「よもぎ粉」として売られています。 難を言えば繊維が感じられない事と色が悪い事ですね。 他にタブレット状の「乾燥よもぎ」もありますが、これは先の「冷凍よもぎ」を圧縮して乾燥させたような感じです。 こちらは繊維は感じられますが‘戻り’が悪いのが難点かと思います。 それぞれに一長一短ありますね…(笑) また、近くの土手に蓬を摘みに行く!と仰る方もおられますが、これが一番要注意です。 まずはお散歩の犬のフンやオシッコの問題です。 次に犬が入れない場所だからと安心していたら雑草除けの農薬が撒かれていたりします。 安心安全なのはご自宅のお庭に生えるものだけかも知れませんね。 私も子供の頃、従姉妹と共に祖母に摘みに行かされた記憶があるのですが… 大丈夫だったのでしょうかねぇ〜。(笑) 春です! 美味しい「草もち」を楽しんで下さい・・・
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