和菓子のお教室をはじめさせて頂いて早や13年になります。
たくさんの美味しいお菓子、珍しいお菓子に出会いました。
そんなお菓子の思い出やエピソードを、少し… お話したいと思います。

 

◆ 2009年 9月  月にちなむお菓子 〜 月見団子 

月にちなむお菓子も様々ありますが… なんと言っても「月見団子」 を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? お月見の折、十五夜(旧暦8月15日)には15個、十三夜(旧暦9月13日)には13個のお団子を三方にピラミッド状に積み上げて供えるものとされています。

以前、日記の中に東京で見つけた「月見団子」に驚いた事を書きましたが、ピラミッドの頂点が1つだけ黄色い色をしているのです。 お店の方に「黄色」の意味を尋ねたら「お月さまです」と言われ、さらにビックリしました。 (笑) お月さまにお供えするのに何故その頂きにお月さまを乗せるのか? 少々意味不明です。。。 逆に関東の方々は関西の芋の形をした「月見団子」を不思議に思われるようです。 あの芋の形は芋名月(十五夜)に里芋を供えることから生まれたもの と聞いています。 さらに餡を巻いたものは単なる団子ではお値段が高くは頂けないからと、関西の菓子店がいかにも和菓子らしく仕上げたものらしいですよ。(笑)  

十五夜が芋名月なら十三夜は豆名月、芒や萩とともに枝豆を供えます。 お豆の形を写したお供えの団子が無いのは残念ですね。。。(笑) やはりメインのお月見は十五夜なのでしょうね。

本来、団子の文化は何かに捧げ供えるものだと思います。 例えば、ご先祖様に供える「彼岸団子」やお盆の折の「迎え団子」と「送り団子」 お雛様の「草団子」などがそうですね。 「みたらし団子」の起源も… 下鴨神社の「御手洗会」で神前にお供えする為に氏子さん達が作ったお団子が、境内で売られた事が始まりだと聞いています。 ちなみに「月見団子」は盗んでも罪にならないのだそうですよ。 今年の仲秋の名月は来月3日です。 きれいなお月さまが見られると良いですね。