和菓子のお教室をはじめさせて頂いて早や13年になります。
たくさんの美味しいお菓子、珍しいお菓子に出会いました。
そんなお菓子の思い出やエピソードを、少し… お話したいと思います。

 

◆ 2009年 12月  キャロル 

昨年もこの季節に末富さんの「クリスマスツリーのきんとん」のことを書きましたが、今年もクリスマス向けのお菓子について…です。 「キャロル」と銘したこのお菓子は私のオリジナルです。 山の芋と白あんを混ぜた純白の餡で黄味餡を包み茶巾に絞ります。 柊に抜いた緑色のこなし生地に、同じくこなし生地で作った赤い実を載せて飾ります。 

思いつきは… 生風庵さんの「雪餅」です。 黄味餡を中餡にした純白の「きんとん」です。 学園に入学した年の冬に初めていただき、「世の中にはこんなに美味しい和菓子があったのか〜」と、入学後、一番感激したお菓子で一番好きなお菓子でした。 同じように作った「きんとん」にただ柊の葉を張り付けるだけでは面白くないなぁ〜と、単純に「きんとん」を「茶巾絞り」に変えてみただけのことでした。 これが大正解! 形的にも様になりましたし、「きんとん」を仕上げる手間を思えば作業時間も半分で済みます。

昨年末、神戸でも東京でもこのお菓子を12月のお教室に入れましたが、お陰さまで大好評でした。 黄味餡は万人に好まれますし、パーツごとに作り置きが出来るのも便利です。 「茶巾絞り」も格好ものですが、気に入らなければやり直しが出来る♪という利点があります。 柊の葉っぱがポイントですが白と緑と赤が何よりもクリスマスカラーを表現していて、このシンプルさが自分ではとても気に入っています。

十数年、毎年この季節にはこの「キャロル」と「ツリーのきんとん」を作り続けている私ですが、今年から一つだけ、変更したことがあります。 柊の赤い実を2つから3つにしました!(笑) 3つが正しいようですね…。 よく「クリスマスケーキ」に付いている飾りの柊には2つしか付いていないので、何の疑いも無く2つにしていたのです。 私の大きな指であの小さな実を作るのは結構大変なのですが(苦笑)、今年からは一葉に3つの赤い実を飾っています。。。