和菓子のお教室をはじめさせて頂いて早や13年になります。
たくさんの美味しいお菓子、珍しいお菓子に出会いました。
そんなお菓子の思い出やエピソードを、少し… お話したいと思います。

 

◆ 2009年 11月  木守 

香川の銘菓「三友堂」さんの《木守》です。 柿や柿の餡を使ったお菓子はたくさんありますが、この《木守》はお味はもちろん、利休が愛玩したとされる赤楽茶碗にちなむ、その銘にも… 心惹かれるお菓子です。

木守」とは翌年の豊かな実りの為に枝に一つ残された実のことです。 利休が長次郎に好みの茶碗を七つ作らせ、六人の弟子に好みのままに好きに取らせて後に一つ残った赤楽茶碗に「木守」と銘を付けて大事にしたというのは有名なお話です。 利休居士らしい命名ですね。 残念ながら「木守」は関東大震災で破損、現存はしていません。(もちろん楽さんによる復元作品はあります) その特徴であった巴高台を模した渦巻の焼印を押し、この名高い茶碗「木守」を惜しんで作られたお菓子が《木守》という訳です。 

厚めの麩焼き煎餅の間に和三盆糖で練った柿餡を挟んだ滋味深いお菓子です。 柿餡というよりは柔らかい柿羊羹といった感じでしょうか…。 パリパリしたお煎餅と和三盆の香りと柿の風味がとてもいいハーモニーです!

学園に在学中には各休みごとに全国から銘菓が集まりました。 (笑) 皆が地元の銘菓を「お土産」として持ち寄るからです。 一年生の夏休み、先輩からこの《木守》をはじめて頂いた時から大好きなお菓子の一つです。
 


お詫び :  確かあったはずの《木守》の画像がどうしても見つからず… 更新を延び延びにしていました。 結局、見つかりません!
       近いうちにまた取り寄せて… 撮影後、載せますね。 お許し下さいませ・・・