◆  五代 高橋楽斎 作陶展 / 2011.  3. 30  

今日から来月5日まで、大阪・難波の高島屋6階 美術画廊で信楽 5代高橋楽斎先生の襲名披露作陶会が行われています。 5代楽斎先生は、裏千家学園の同級生Mちゃんのご主人様です。 名を継がれる方の宿命なのでしょうが、私達には「光三さん」とお呼びする方が馴染みがあり、まだ、やはり「楽斎先生」はお父様のイメージです。 これから、益々ご立派に「5代 楽斎」の名を世に響かされますよう… 心よりお祝い申し上げます。

          

既に東京では昨年の9月に披露作品展を済まされていて、地元である関西の人々はこの作品展を心待ちにされていた事と思います。 私も初日である今日の午後、行って来ました。 信楽らしい炎の勢いを感じる力強い作品と、光三さんのお人柄が滲み出ている優しい作風と… どちらも素敵でした。 伺ったのは午後4時ごろ、親しい顧客の方々が引かれる頃を狙って参じました。 既に大半の作品には赤マルのシールが貼られていて… 大盛況のご様子でした。 

会場には5代楽斎先生はもちろんMちゃん、そして美しく成長されたお嬢さんお二人も呈茶のお手伝いに出ておられました。 「こんなに小さかったのにぃ〜」と、妹も私も目を丸くして驚きました。 仲の良い姉妹に挟まれてまるで三姉妹のような母娘。 そのお嬢さん達からも、妻であるMちゃんからも「優しい!とにかく優しい!」と尊敬されている楽斎先生…。 穏やかで暖かいご家庭が目に浮かび、微笑ましい限りでした。 

                

頂いたお菓子の銘々皿もお茶碗も、もちろん楽斎窯のものです。 私のお茶碗には左馬が彫られていました。 「中風にならないお守りなんだって、席中でも年配の先生は喜ばれて盛り上がるお茶碗よ。 登り窯に最初に火を入れる時に、必ず、この左馬のものを一番に入れて焼くのよ。 だから1回きり… これも今の窯の時もの…」と、Mちゃんから説明がありました。 「そう… じゃあ私、中風の心配は要らないね! ありがとう…(笑)」

                  

お子さんはお嬢さんがお二人… 老婆心ながら6代目は?と心配するのは、私だけではないと思います。 これまた二重の驚き&喜びですが、次女のYちゃんが後継者となる可く… 昨年から京都の陶芸の学校に入っているそうです。 卒業後はさらに信楽の陶芸の学校に進み学ばれるとのこと、この度襲名をされたご両親、先代の楽斎先生(つまり、おじいちゃん)やおばあちゃんが、どんなにかお喜びだろう…と、私まで嬉しくなりました。

結局、私は何も頂かずに帰路につきましたが、思えば我が家には楽斎先生の若い作品がいっぱい… Mちゃんのお蔭でお宝がたくさん(笑)です。 これからの益々のご活躍を心からお祈りしています。

 

◆  感謝、多謝… / 2011.  3. 29  

雲ひとつない好天に恵まれた昨日、大阪狭山市にあるMさん邸のお茶事に招かれ、N先生、母、妹の4人で贅沢な楽しいひと時を味あわせて頂きました。 3月26日に横浜で行われる予定だった従姉妹の結婚式が延期となり、“行けない予定”だった母は、参加が可能となり大喜び、生まれて初めての茶事の客です。 対照的に…今回の災害を心に病んで前日まで“行くこと”に承服しかねていたのはN先生ですが、二人とも、いえ皆で「やっぱり、お茶は良いね」と大感激の茶会でした。

海外からのお客様が多いと仰るMさんは、リビングを寄り付きに、そこから小上がりの和室を待合に、縁側を腰掛けに… 手入れの行き届いたお庭を上手に露地に設え、通された広間は真新しい青い畳の広がる清々しい空間でした。 

待合の掛け物はフランス語の挨拶「コマンサヴァ?」=「お元気ですか〜? ご機嫌いかが〜?」から転じて、「かけぬけてゆく ときハ くせもの」と和歌のように書かれた金色に輝く素敵な横物です。 Mさんの伯母様である書家・島谷愛さんの筆によるものでした。。。 (Mさんの達筆はお血筋だったのですね?) これは我々よりも長く人生を過ごしてきたN先生と母へのメッセージだったようです。 

本席は「一華開五葉」 南宗寺の田島碩應老師にN先生と私の事をお話下さり、老師様がこの日の為にお書き下さったものとお聞きしました。 「一華五葉に開き 結果 自然に成る」 達磨大師が二祖慧可に印可を与えた時の言葉ですね。 有難くて、勿体なくて… 胸が熱くなりました。

「お恥ずかしくてお出しできませんわぁ。 先生に習ったものばかりですよ〜。」と仰りながら、心尽くしのお懐石を頂きました。 若い頃には先輩の先生方にくっ付いて、色んな場所で茶事のご相伴に与ることも多かったのですが、仕事として指導する側に回ってからは、なかなか自らが茶事に出向く機会が少なくなっていた昨今です。 お心入れに感謝です。。。

後席では、さすが花作りの名手によるお花は素晴らしく… お稽古の度、Mさんから頂くお花をただ突っ込んでいるだけの我が身が恥ずかしくなりました。(苦笑) 静寂の中、香り高い濃茶を頂戴し、Mさんのお母様所縁のお道具の数々にも目を奪われ、心奪われることでした。 今月はじめ自ら亭主をした事も久方ぶりでしたが客もまた久しぶりの事、一足早い爛漫の春を大いに楽しませていただきました。 

茶の湯の愉しみは俗世を離れ茶室という空間で、亭主と客がその時間を共有して喜ぶ事にあります。 昨日はまさに、地震も原発も忘れて… 只今その時を楽しませて頂いた貴重な一日でした。 ありがとうございました。

 

◆  出遅れた 春一番? / 2011.  3. 25

今日の神戸は強い風が吹き荒れました! 一足遅い春一番?といったところでしょうか…。 今年、関西には春一番がなかったんですよ。 東京では、随分早かったのに不思議ですよね。 毎年、必ず吹くものと思っていましたが、関西で春一番が吹かない確率は4割なんですって・・・。 (笑)

未だにお風呂にも入れずにおられる被災者の皆様には、申し訳ないと思いながら… 上京前に!と予約していた美容院に行ってきました。  折角きれいにブローしてもらったのに、サロンを出た途端に髪はバサバサ…。 笑っちゃいました! 様々な情報に翻弄されることなく、まず私達から、ごく普通に過ごすことが大切 ですよね。。。

 

◆  誇り! / 2011.  3. 21

地震直後、父の仏壇に手を合わしながら母が言いました。 「お父さんは良いねぇ、こんな恐ろしい事を見ずに済んで。 こんな悲しい事や辛い思いを知らずに逝って… 何でこんなひどい事が起こるの?」 N先生も仰いました。「なんでこんな小さな国が、いじめられるの? 原爆を落とされ、あの終戦から這い上がり、神戸は水害に遭い地震にも遭い、また何でこんな ひどい目に遭いますの? 日本人が何を悪い事をしました…」

確かにです。 日本は古くから天災と戦い続けている国ですね。 世界で唯一原爆を落とされた国なのに… 国内にこんなにたくさんの原子力発電所を持っていたことを改めて知りました。 これも私自身、情けないことです。 今まで自分の身には何もふりかかって来なかったから… ごめんなさい。 我々の便利で快適な生活が、こんなにも大きなリスクの上に立っていたなんて考えもしませんでした。 誰も悪くはありません。 でも皆が悪いのですよね。。。

午後7時、ニュースの前の東京の映像は、真っ暗ですね。 計画停電の見直しも東京の皆さんの節電の賜物なのだと… あの映像を見ていても分かります。 事態は落ち着き始めましたね。 冷静な行動が世界中から称賛されています。 神戸の時もそうでした。 「こっちは大丈夫、他を助けたって…」 皆が同様に口にした言葉です。 今回の大震災でも同じ光景をたくさん目にしました。 きっと日本人の心には「強きを挫き、弱きを助ける」 武士道の魂 とも言えるような強い正義感が流れているのでしょうね。 日本人の誇りです。

中止のご連絡をした東京の生徒さんから、次々にお返事が届きました。 やはり、皆さんそれぞれに大変な目に遭われていて心が痛みました。 が、皆さん一様に「私は大丈夫です。 被災地の方に比べたら何て事はありません」と。 「この事態では致し方無い」 というお返事がほとんどでしたが、中には「楽しみ事がことごとく中止となり、気分転換も出来ず滅入ってしまいそうだ」というお話もありました。 このお気持ちもすごくよく分かります。 申し訳ないです、私も残念です。  あべこべに「余震も続いているこのような状況の中、安全な関西からわざわざいらっしゃることはありません」と、私達の事をご心配下さる方もありました。 

支援の輪が広がっている報道が続々です。 皆がこの大災害に立ち向かおうとしていますね。 復興には神戸の何倍、何十倍もの時間がかかる事と思います。  原発の心配もあります…。 これから先が大変です。 様々な事が見え聞こえてくると思います。 でも、この未曽有の大災害を乗り越えようと人々が一つになり、立ち上がろうとしているのも事実です。 失いかけていた日本人の魂みたいなものが、取り戻されつつあるように思いませんか? 敗戦から這い上がり、大昔から災害と闘い続けている我々日本人の強い絆みたいなもの…。 この大災害を乗り越え、日本が変わり、世界中が変われば良いな!と、 心から思います。

 

◆  山 微笑み、枯れ枝には緑 / 2011.  3. 17

今日は荷物が少ないので電車で通勤です。(笑) 電車で通う日も、朝は早く夜は暗い為… 車窓からの景色をみることはありません。 今日は午後からのお稽古でした。 午前10時過ぎ… やわらかい春の陽ざしの中に見える風景には、本当に春がもうそこまで来ていました。

「山 笑う」とまではいきませんが微笑みかけているかのように、はにかんだように木々の枝先が、ほのかに赤く見えます。 枯野の中に延びた枯れ木の枝には、可愛い色鮮やかな若い黄緑色の新芽が見えま した。 線路の脇にジャリの中にも緑が点在し始めていました。 春です! 確実に春がそこまで来ています。 

どんな事があっても… 陽は昇り、確実に季節は巡り来ます。  天から雨の恵みを受け太陽から光をもらって、生命は存在しています。 冬には枯れ、春には芽吹き、夏に茂り、秋には実を付け… 繰り返し繰り返し生きています。 人も強いと思います。 今回の大災害を機に本当に人が地球に優しくなり、地球も人類に優しさを取り戻して欲しいと思います。 

 

◆  平常心… / 2011.  3. 16

今日のお稽古に小学生のSちゃんとMちゃんが、2週間ぶりにやって来ました。 先週はお姉ちゃんのSちゃんの中学合格のお祝いに、ご家族でグアムに出かけ… お休みでした。 お父さんと「一発で希望校に合格したら…」と、約束していたそうです。 Sちゃんが頑張ったお蔭で、Mちゃんもご褒美のお裾わけを頂いたようです。(笑)

こんな時だから…と、お軸は「平常心是道」を掛けました。 なのに… 一番平常心が欠けていたのはこの私で、彼女たちに今日から新しいお稽古をする約束をしていたのに、その道具を実家に忘れて来てしまいました。 東京の皆さんへのご連絡に追われて、すっかり抜け落ちていました! 大いに反省です。 

「ごめんなさい! 先生、うっかりしてしまって…。 今日は今までの総復習にして下さい。」と謝る私に「はい」と答えてから、嬉しそうに「お土産です…」と可愛い包みをたくさん持って来てくれました。 「先生のお母さんにも渡して下さい」と、母の分もあり…。 「開けても良いですか?」 中身は私と妹それぞれに可愛いメモ用紙、母にはボールペン、教室にもマグカップの形をしたマグネットを買ってきてくれました。 ありがとう♪ マグネットは早速、冷蔵庫に付けました。

しばらくすると妹のMちゃんがお姉ちゃんに「Sちゃん、和菓子ばかりの中にマグカップは変やぁ〜! お菓子のは無かったん?」 「グアムにある訳ないやん… お菓子にはお茶やんかぁ〜」とお姉ちゃんのSちゃん。 二人のかわいい会話に吹き出しそうになりましたが、置いた帛紗が曲がっても気に入らないMちゃんらしい感性と、お菓子にはお茶、お茶の稽古場だという事を踏まえてコレを求めてくれた、しっかり者のSちゃんの感覚に、感激しました。 二人が一生懸命に考えてお土産を選んでくれたのかと思うと、本当に嬉しかったです。

                                 

お稽古終了後、ふと見るとお菓子のマグネットが一つ足りません。 うぅ〜ん? オカシイな? 良く見るとマグカップの中に三色団子が挿さっていました。 「Mちゃんだぁ〜 爆笑!」 妹と大笑いしました。 子供たちは無邪気で… いつも平常心なのですね。 何だか数日ぶりに大笑いしました。。。 ありがとう。。。

 

◆  東京教室、中止! / 2011.  3. 15

4月1日から6日間を予定していた東京での和菓子教室を、とりあえず中止しました。

あと2週間ありますから「それまでには落ち着く」様にも思いますが、まずはとりあえずの中止を決めました。 計画停電の事、交通機関のマヒ、物資やガソリンの不足等など、日常の生活がままならない状況での和菓子作りは不謹慎な気もします。 まだ余震も続いているそうですし、福島の原発の心配もあります。 東京の生徒さんは広範囲ですし、中には山形の方もおられます。 また東北のご出身も大勢おられますから、ご自身はご無事でも…。 関西からノコノコ行くのも如何なものでしょう…。 

私のやっていることは生活の一番外側の部分の事です。 「無くても生きて行ける」非常時には一番に排除される事なのです。 気持ちの余裕の上にできる、心の 栄養のような事なのです。 和菓子教室のモットーは「楽しく、美味しく、安心に!」です。 被災地の方々の事を思うと、とても心の底から楽しむ事は出来そうにありません。 心情的に、もう少し様子をみて落ち着いてからでも良いのでは?と思いました。 ご多忙な東京の皆様の事、予定の変更は早い方が良いのでは?と考えての結果です。

私達自身も楽しみにしている東京教室です。 時期は、ずれてしまうかも知れませんが、どこかで穴埋めが出来るようにしたいと思っています。 残念ですが… とりあえず、中止です。 

 

◆  罪悪感  / 2011.  3. 14

今週は今日から和菓子のお教室が始まりました。 もちろん話題は東日本の大震災です。 皆さん、神戸の地震を体験していますから17年前の事も蘇ります。 「神戸でも あの上に津波が来ていたら…」 「津波の恐さを 初めて知った」 「神戸は海からも日本海側からも物資が届いたから良かったね」 皆、自分の身に置き換えての話になります。 私達、こんなこと(和菓子教室)をしていて良いのかしら? 何とも言えない罪悪感に苛まれました。

いや、いや! 元気な者は元気に、普通の生活をして被災地の皆さんを応援しなくちゃ!!! 皆が暗く落ち込んでも仕方がない!ですよね。 せめて我々だけでも明るく元気に、この重苦しい空気を撥ね退けて頑張らねば!!!

 

◆  青空と星空と…  / 2011.  3. 13

この度の大地震、大津波で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

昨日の夕方5時過ぎに、一人、連絡の取れなった福島のNちゃん本人からメールが入りました。 本当に安心しました! 一昨日からずっと同級生がみんなで彼女の無事を祈っていました。。。 良かったです、本当に。 地震直後から福岡のMちゃんが東北、関東地方の同級生の安否情報をメールで配信してくれて、仕事があり思うように時間が 作れない私には有難く心強いものでした。 こうした時、一つ釜の飯を食った仲間の結束力は強いです。 ともかく、仲間は全員無事でした。 感謝です。。。

今日の神戸は雲一つない青空が広がっていました。 一昨日の地震の折、私と妹は教室に居て… 気持ちの悪い船酔いのような長い揺れを感じました。 こんなに離れた神戸でも揺れたのです。 東北地方は元より東京でも今までかつて経験したことのない地震に、皆さん本当に恐い思いをされた事と 案じています。 まるで映画でも見ているような津波の映像は、神戸の時とは全く別の恐さを感じ胸が締め付けられそうです。 日本の全国民が、皆、同様の気持ちでいることでしょう。 

母方の親戚が関東に居る為、察するに東京教室の生徒さんも、あの日の帰宅やライフラインの寸断など、皆さんそれぞれに何らかの被害に遭われている事と心配でなりません。 が、ともかく今は電話やメールを控えていようと思っています。 東北ご出身の方もおられます。 東京の生徒さんやそのご家族の皆様の被害が少しでも少ないことを願っています。

今夜、帰りにはきれいなきれいな澄んだ星空でした。 一人でも多くの方の命が救われますようにと心から祈りました。 どうぞ被災地の皆様が、一日も早くまた大空を仰ぎ見る日が来ますように… 

 

◆  稽古茶事 / 2011.  3. 4 〜 6

4日の金曜日から3日間、稽古茶事を行いました。 月並な趣向ですが勿論「雛祭り」です。 女性ばかりの社中ですから、幾つになっても…皆でお祝いしましょう〜♪ そういった気持ちです。

三寒四温のこの季節、今週に入りまた寒い日が続いています。 庭掃除に行こうと思った日は雨… 前日にはなんと小雪が舞う冷え込みに。 幸いお天気には恵まれましたが文字通り「春を望む」寒い茶事となりました。 二日目には私自身が亭主をさせて頂きました!! 『亭主、八分の喜び』とは良く言ったものだな〜と改めて感じました。 思えば亭主をするのは何十年ぶり の事です。 指導する側に立つ事になり… 自らが主催しながら『主』にあらず…だった訳です。 自分が亭主をやってみての“楽しい気持ち”と、亭主役をさせられている生徒さんの“役所の難しさ”も、よく分かりました。(笑)

前にも書きましたが茶事をすると、生徒さんに何を伝え足りないのかがよ〜く分かります。 私の為に、皆さんに茶事をして頂いているような気さえしてきます。(苦笑) 今回の茶事を終えて思う事は、皆さんがどの役回りもこなせるようになって『亭主 八分の喜び』を味わって頂けるようになって欲しいという事です 。 

            

            

1日に京都でのお稽古がありましたから、錦市場に立ち寄り春の食材を求めて来ました。 土筆や蕨などは、まだ神戸では手に入りません。 さすがは京都です! 錦も久々で… あれもこれも買いたくなって… 何だか心ウキウキしました。 茶の湯とは茶室という空間で、俗世を離れて主客がその時間と空間を楽しむ事にあるのですが、ニュージーランドでは大きな地震があり、紛争が続いている国もあるのに… 私達はこんな優雅で楽しい時間を過ごしていいのかしら?と、申し訳ないような気持ちにもなりました。 穏やかで幸せな日々に感謝して、毎日を大切に過ごさなければ…と思いました。

 

◆  待望の染め帯展 / 2011.  3. 3

今日から4日間、芦屋のギャラリーで開かれている木村雅也子さんの『染め帯展』に行って来ました。 師匠である渾大防秀子先生との師弟展です。 木村さんの染め物については、以前に《私のお気に入り》のコーナーに2回に渡って紹介させて頂きました。 その折にも書きましたが、木村さんのご本業はドクターです。 「医者になっていなければ…染織家になりたかった。」とご本人からお聞きしたことがありますが、その腕前は、 れっきとした染織家だと私は思っています。 

縁あって 、当時中学生になったばかりのお嬢さんとご一緒に木村さんがお茶のお稽古にお越し下さったのは、もう10年以上も前のことです。 「先生は歩く広告塔だから…」と、既に彼女の作品(帯)を三本も頂いています。 何ともラッキーな私です! 「木村さんの作品展には必ずお声を掛けて下さいね」と、他の大勢の生徒さんからも頼まれていました。(笑) 「 皆さ〜ん、待望の帯展ですよ!」とばかりに、木村さんをご存知の懐かしい方々にご案内をお送りしました。。。 

オープンの時間と同時に会場に入りました!  本来は紅型を基とした染物とお聞きしていますが… 紅型とは思えない自由な感覚の素敵なデザインや色調の帯が並び切らない程たくさん用意されていました。 広げるたびに「これも良い、あれも良い」と、着物好きとしては楽しい楽しい時間でした。 そうするうちに、私が勝手にご案内した生徒さん達がお見えになり、私達にとっては同窓会状態です。 渾大 防先生や他のお客様には大いにご迷惑だった事と思います。 ゴメンナサイ!

木村さんお得意の“ぼかし”が効いた優しい淡い色調の白地の帯か、渾大防先生のスッキリ、シンプルな夏帯かを迷い… 結局、数の少ない夏帯(左写真の右上)を頂戴して帰ってきました。 明日からの茶事の準備が無ければ… もっともっとゆっくりさせて頂きたかったです。

                  

渾大防先生、木村さん、ご盛会おめでとうございます。 懐かしい皆様との再会の機会を作ってくださり感謝申し上げます。 どうぞ、お疲れが出ませんように… 会期中、頑張って下さいね!